REPORT

評価・研究

2019/10/31

【レポート】お寺deハレバーレ!イベントまとめ(第2部)

NPO法人HELLOlifeが2018年11月に開催した「お寺deハレバーレ!」。
7日間にわたり開催されたこのイベントには働くこと、生きることに悩む若者たちを中心に延べ204名が参加した。

レポートの第1部では、イベントの全貌を解説すると共に、参加者である若者たちの変化についてインタビューを中心に紹介した(第1部はこちら
今回は第2部として、参加者に対するアンケート調査の中から、今回の企画が参加者にどのような変化をもたらしたのか、考察を行う。
なお続く第3部では寺院を実際に運営する方々や、今回の企画にご協力頂いた僧侶へのアンケート結果から、就業支援において「寺」という場が持つ現代的な意味を考える(第3部はこちら)。
それではさっそく見ていきたい。

宗派を超えた協力を得て、プログラムを実施した


人を思いやるコミュニケーション講座の様子

1.事前・事後の変化に関する全体傾向 ~3つのプログラムを概観して~

本イベントでは、働くこと、生きることに悩む若者たちが、本イベントへの参加を通じてどのように変化したのか辿るために、参加者に対して事前・事後のアンケート調査を実施した。

ここでは今回のイベントの中で、就職支援の機能を意識して開催した
・ お坊さんによる人生相談
・ 納得のいく仕事さがしサポートプログラム
・ キャリアカウンセラーによる人生相談
の3つにフォーカスし、参加者の変化を見ていく。

(1)プログラムの詳細と参加者の属性

まずは各プログラムの詳細と、それぞれのプログラムの参加者の属性をみていきたい。
1)「お坊さんによる人生相談」
前編でも取り上げた「お坊さんによる人生相談」は、計14名の僧侶が参加者の悩みに乗るコンテンツである。1回の相談は45分で、33枠を設定し募集した。その結果すべてのプログラムの中でもっとも早く満席となった、今回の一番人気のプログラムである。
参加者の年齢にはばらつきがあり(図表 1)、性別は男性2割、女性が8割であった。また正社員が6割、派遣社員が3割で、参加者の9割が何らかの形で就業していた。なお全てのプログラムの中で最も正社員比率が高い結果となった(図表 2)。

2)「納得のいく仕事さがしサポートプログラム」
「納得のいく仕事さがしサポートプログラム」は、自分自身の働く「軸」を探し出すことを目的としており、参加者は2日間に亘りプログラムに参加する。本プログラムはNPO法人HELLOlifeが通常2週間ほどの期間でワークショップで開催しているプログラムを、今回の開催に合わせて凝縮した内容になっている。
参加者属性は35~39歳の参加者が5割を超え(図表3)、女性が6割強。すべてのプログラムの中では非正規雇用の割合が最も高い結果となった。

「キャリアカウンセラーによる仕事相談」とは、キャリアカウンセラーの資格を持つ相談員が、参加者のキャリアに関する悩みに応じるプログラムである。参加者数は10名で、8割が女性であった。年齢は30代前半~40代前半が多く、すべてのプログラムの中では最も年齢層が高い結果となった。また雇用形態はさまざまであるが、参加者の8割が何らかの形で現在働いている方であった。

(2)就労支援を目的とした3つのプログラムに見る事前事後の変化

では3つのプログラムの参加者は、プログラムの参加前と後ではどのように変化したのか。
まず参加者に対して「働くこと」について前向きに捉えているか・捉えられたかを聞いたところ、参加前と後では前向きに捉えている割合が8%増加した(図表 7)。

また自分自身の生き方を前向きに捉えているか聞いたところ、「非常にそう思う」「そう思う」共に増加し、合わせて7%増となった。また生き方に対する意識の変化を聞いたところ、「参加前よりは前向きになったと回答した割合が8%、少し前向きになったと回答した割合が54%と大幅に増えた。

さらに、「これからの仕事や人生に向けて必要な行動がイメージ出来ていると思いますか。」という問いでは、「非常にそう思う」、「そう思う」「おおむねそう思う」と回答した割合が合計で82%に達し、事前事後を比較すると大幅な伸びを見せた。

上記調査は、母数も限られており、データとして必ずしも十分な情報が得られているとは限らない。また個々の参加者によって属性や背景、就職に関する状況などにばらつきがあるため、プログラムの有効性を一概に語ることは出来ない。しかし前編で紹介したインタビュー調査で得られた意見も踏まえると、就職支援を意識し実施した3つのプログラムが、参加者にとって、働くことに対する意欲を喚起し、仕事や人生を前向きに考える一つの機会になったことを伺うことが出来る。

最後に、本レポート第3部では、寺院を実際に運営する方々や、今回の企画にご協力頂いた僧侶へのアンケート結果から、就業支援において「寺」という場が持つ現代的な意味を考えていきたい。

(第3部へのリンクはこちら
(第1部へのリンクはこちら

(書き手:水谷衣里 /NPO法人HELLOlife参与、株式会社 風とつばさ 代表取締役)
*本レポートに掲載されている写真はすべて、参加者ご本人の許諾を得たものです。