REPORT

評価・研究

2019/11/28

【報告書】四條畷市協働「若者地域生活ニーズの把握に向けた実態調査」の結果について

NPO法人HELLOlifeでは、2019年3月28日(木)〜4月10日(水)にかけて四條畷市と協働で「若者地域生活ニーズに関する実態調査」を実施しました。

この調査は、2017年度より四條畷市にて取り組んでいる事業「住宅つき就職支援プロジェクトMODEL HOUSE」(大阪府・四條畷市・公益財団法人日本財団・NPO法人HELLOlife協働)において、事業の対象者となる潜在的なニーズをもつ若者が四條畷市内でどの程度の人数になるのか等、市内における状況を把握するために取り組みました。また、事業対象者からどのようなサポートが求められているかについても調査し、定量的に把握・整理することをおこないました。

住宅つき就職支援プロジェクトMODEL HOUSE(以下、本事業)

15歳〜概ね39歳までの無業状態の若者を対象に、就職サポートに加えて、四條畷市にある公営住宅の空き室を提供する住宅サポートと、仲間や地域との共同活動を促進するコミュニティサポートの3つのプログラムを提供し、若者の人生を応援することに取り組みました。公営住宅は単身の若者や中高年層の入居が一般的でないとされてきたため、「公営住宅の目的外使用承認」、「行政財産の使用許可」を得て、構想からおよそ3年でようやく実現することができました。就業支援だけでなく、公営住宅の新たな活用方法としてもモデルを構築しています。

本事業では、仕事・住居・コミュニティの3つの領域においてそれぞれサポートのプログラムを提供してきました。今回の調査でも「就業状況」「住まい状況」「地域生活ニーズの状況」など、それぞれ本事業が提供できるサポートの内容に沿って調査設計を進めました。

表①四條畷市におけるニーズ調査の実施概要

調査名 若者地域生活ニーズに関する実態調査
調査期間 平成31年3月28日(木)~4月10日(水)【2週間】
調査実施体制 実施主体:NPO法人HELLOlife
調査委託先:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)
調査手法 ウェブアンケート調査
※ウェブアンケート画面のURL・QRコードを記載したはがきを郵送配布
調査対象 四條畷市在住の満19~満39歳男女6,995名
※四條畷市の住民基本台帳から7,000名を抽出、うち調査票不着を除く6,995名が対象
回収状況 回収数 857件 / 回収率 12.3%
有効回収数 839件 / 有効回収率 12.0%
調査項目 【調査項目】
(1)回答者属性
性別、年齢、職業、就業希望の有無、年収(個人)、年収(世帯)、生活する上での主な収入源、雇用保険の加入の有無、住居形態、同居家族、ひとり暮らしの希望の有無、ひとり暮らしを希望する理由(2)若者地域生活ニーズに関する設問
「就労」「生活」「社会参加」「親からの自立」の4側面に関する生活する上でのニーズ(「重要度」及び「充足度」を把握)(3)住まいに求める機能に関する設問
「物件の設備・仕様」「コミュニケーション・地域参加」「支援」の3つの側面に関する住まいに求める機能

調査結果の概略

四條畷市における「非正規雇用・無職」の若者は全体の約2割を占めました。また、現在同居家族がいる「非正規雇用・無職」のうち約半数以上がひとり暮らしを希望していることがわかりました。

「非正規雇用・無職」である若者の地域生活ニーズについて、「重要度」と「充足度」の各評価点の差をみると、「安定した収入」「生活保護の受給」「継続的な仕事」「キャリアのロールモデル」「地域とのつながり」で大きな差が見られました。

四條畷市におけるMODELHOUSEのターゲット層(「非正規雇用・無職」かつ「ひとり暮らしをしていない(同居家族あり※配偶者・パートナー、子どもを除く)」層を指す)の若者は8.5%でした。

【表②四條畷市におけるターゲット層の属性】

【性別】 「女性」が63.4%であり、「男性」が33.8%である
【年齢】 「25~29歳」が32.4%で最も高く、次いで「20~24歳」(26.8%)「30~34歳」(23.9%)である
【職業】 「パート・アルバイト」が42.3%で最も高く、次いで「無職」(26.8%)「契約社員」(16.9%)である
【就業希望】
(「職業」で無職と回答した方のみ)
「就業を希望しており、現在求職活動を行っている」(36.8%)、「就業を希望しているが、現在求職活動を行っていない」(36.8%)を合わせると就業希望者は7割を超える
【収入(回答者)】 「100万円~200万円未満」が46.5%で最も高く、次いで「100万未満」(29.6%)である収入が200万未満の若者は7割強に上る
【世帯収入】 「分からない」が33.8%で最も高く、次いで「200万未満」(19.7%)「300~500万未満」(18.3%)である
【主な収入源】 「親の収入」が54.9%で最も高く、次いで「自身の収入」(43.7%)である
【雇用保険の加入の有無】 「加入している」が49.3%であり、「加入していない」が33.8%である

詳しい調査結果については、下記の調査報告書をご覧ください。
若者地域生活ニーズの把握に向けた調査報告書(PDF 3.3MB)