PROJECTS

就業システム・組織戦略開発サービス

住宅つき就職支援プロジェクトMODEL HOUSE

期間:2017.3.29〜現在

テーマ:若者就業支援、空き室有効活用、地域活性化

パートナー:大阪府、公益財団法人日本財団

https://jyutaku-model.com/

概要

不安定な就業状態を繰り返している若者10名に対して、大阪府四條畷市「府営清滝住宅」の空室を提供し、就職・住宅・コミュニティの3つのサポートプログラムを実施します。就職による収入の増加に加え、生活コストを下げるという視点からも若者の自立を促進しています。

3つのサポートプログラム

①就職サポートプログラム


自己分析・企業研究・就職準備研修に取り組むプログラムです。およそ2週間の集中講座を受講した後は、それぞれが希望する企業へ応募し、就職を決定していきました。ハローライフのコーディネーターが参加者と企業の間に入り、目標設定や悩み相談・トラブル対応・定着支援など、さまざまなサポートを継続して実施しています。

②住宅サポートプログラム


プロジェクト参加者には、大阪府四條畷市にある府営住宅の空き室を1人に1室提供しました。大阪住宅安全衛生協議会(※)の協力を得るなど、ものづくりや、建設のノウハウを持つスタッフの指導のもと、自分の手で部屋を改修・リノベーションしました。参加者同士やスタッフとの協働作業・体験が、信頼関係の構築やプロジェクトへのモチベーション向上につながりました。

(※)大阪住宅安全衛生協議会とは…平成5年度に大阪地区の住宅メーカー数社により連絡会として発足した団体。

③コミュニティサポートプログラム


自治会活動(清掃活動や行事)への参加や、地域住民・参加者同士の交流を促進するプログラムです。参加者は、自治会活動を通じて社会参加の機会を得たり、職業能力を習得します。また参加者が共同で利用するコミュニティスペースでは、スタッフが就活や生活の相談に応じたり、参加者同士が交流を深められるようなプログラムを実施しています。

背景

厳しい雇用情勢の中、ワーキングプア状態など、不安定な就業状況を繰り返している若者は数多く存在しています。大阪府内の若者の概ね4人に1人が非正規雇用(約37万人)であり(※1)、また、正社員の平均年収が487万円なのに対し、非正規雇用の平均年収は約172万円と正社員の半分以下の金額が調査で明らかになっています(※2)。これらのことが要因となり、非正規雇用の若者は、「十分な収入が得られず、将来に希望を見出しにくい」「経済的な事情により、親元から離れることができない」「家賃が払えず、安心して暮らせる住まいがない」など、自立した生活を送ることが難しい状況となっています。

そこで、住宅つき就職支援プロジェクトMODEL HOUSEでは、就職サポートに加えて、公営住宅の空き室を提供する住宅サポートと、仲間や地域との共同活動を促進するコミュニティサポートの3つのプログラムを提供し、若者の人生を応援することに取り組みました。公営住宅は単身の若者や中高年層の入居が一般的でないとされてきたため、「公営住宅の目的外使用承認」、「行政財産の使用許可」を得て、構想からおよそ3年でようやく実現することができました。就業支援だけでなく、公営住宅の新たな活用方法としてもモデルを構築しています。

(※1)出典:平成24年「就業構造基本調査結果」(総務省統計局)
(※2)出典:平成28年「民間給与実態統計調査」(国税庁)

実施内容・成果

行政財産の目的外使用許可の取得

大阪府・公益財団法人日本財団・NPO法人HELLOlife(大阪府地域若者サポートステーション受託事業者)の三者が協定を結び、事業を実施しました。
・大阪府         …就業支援・住戸提供
・日本財団        …改修費用などの事業費の負担
・NPO法人HELLOlife   …就職・生活・定着支援等

部署を横断したプロジェクトの実施

大阪府内で、2つの部署(雇用担当部署・公営住宅管理担当部署)を横断したプロジェクトが実施できました。

プロジェクトの発信

全国で初めて公営住宅を活用した若者の生活・就労支援プロジェクトの実施ができたこともあり、多くのメディアに取り上げてもらうことができました。

プロジェクト参加申し込み

4月に特設Webサイト・チラシ等を作成し、サポートステーション・わかものハローワーク等の支援機関の協力を得て、参加者を募集しました。またプレスリリースを配信し、メディアでの周知も図りました。第一回目~三回目で合計25名の参加者申し込みがありました。

プロジェクト参加者の決定

参加者を「就業状態が不安定な若者10名(原則15~39歳)」を要件として募集しました。集中した就職サポートを受けた後、それぞれのペースに合わせて就職活動を開始しました。2018年3月現在で、6名が就職・5名が就職活動中です。

【参加状況】
第一回目:7名の参加者決定
第二回目:2名の参加者が決定
第三回目:2名の参加者が決定

地域活動への参加・コミュニティスペースの活用

自治会活動への参加を入居の条件として予め提示したことにより、ほぼ全員が自治会活動へ積極的に参加しています。また継続して就活を続けるメンバーのサポートや、就職後の職場での悩みなどをHELLOlifeのスタッフに共有する時間も設けています。

他府県からの視察・意見交換の実施

全国で初めての取り組みとしてメディアで取り上げられたこともあり、他府県から多くの視察依頼をいただきました。また、公営住宅だけでなく民間の空き家も活用した事業展開などを踏まえ、関係機関との意見交換も実施しています。

広報・プロモーション

チラシ

プレスリリース

将来的な展開

公営住宅を活用した就業支援モデルのスケールアップ

2017年度に実施した府営清滝住宅の11戸の空き公営住宅を活用した「住宅つき就職支援プロジェクトMODEL HOUSE」の実施から、本事業には若者就業支援・コミュニティ創成の双方にポジティブなインパクトを与えられることが分かりました。今後は、11戸で始まったモデル事業のスケールアップをめざし、民間資源・公的資源の双方を活用した新たな就業支援施策・公営住宅の活用方法について検討します。

民間空き物件を活用した、就業支援プログラムの実施

本事業での取り組みを経て、当法人は大阪府より居住支援法人(※1)の指定を受けることができました。大阪府内の平成25年の空き家数は、67.9万戸(空き家率14.8%)にのぼり、平成20年に比べ、5.4万戸増加しています(※2)。空き家の増加が進む中、これらの物件の有効的な活用方法が求められています。今後は、公営住宅の活用だけでなく、民間の空き家を活用した就業支援プログラムの構築を推進します。

2018年2〜3月には、国土交通省のサポートを受けながら同法人が企画・運営する就業支援施設「ハローライフ(大阪市西区)」で、一人暮らしにまつわる相談サービスや計画作りをサポートし、ハローライフが連携する不動産会社からの住居紹介の紹介が受けられる「人生によりそう住まい探し HELLOlifeHOME」のサービスも実施しました。

(※1)居住支援法人とは…大阪府において、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する支援事業を実施する法人の中で、大阪府知事より住宅確保要配慮者居住支援法人と認定を受けた法人のことを言います。
(※2)出典:平成25年「住宅・土地統計調査(確報集計)」(総務省統計局)