PROJECTS

就業システム・組織戦略開発サービス

大阪府地域若者サポートステーション

期間:2015.4〜現在

テーマ:若者就労支援

クライアント:厚生労働省

https://osapo.jp/

概要

NPO法人HELLOlifeは、厚生労働省からの委託を受け「大阪府地域若者サポートステーション(サポステ)」を運営しています。働くことについての様々な悩みを抱える15歳〜49歳までの方が就労に向かえるよう、「キャリアカウンセリング」「セミナー」「職場体験」などの支援をおこなっています。

また「地域若者サポートステーション」では、関連機関や、企業、地方自治体と協働した支援体制の強化しています。サポートステーションの支援が必要な若年無業者一人ひとりの状況に合わせた就労プログラムの提供、職場体験の受け入れ先企業の開拓、地域資源を活用した支援メニューの開発、他の支援機関との関係構築等を進めています。同時に、高校等を対象に高校中退者に対してのアウトリーチ型の就労支援などの切れ目ない支援体制も実施しています。

背景

若者の数そのものが減っているにもかかわらず、若年無業者(15から34歳で、就労しておらず、家事も通学もしていない者。以下同じ。)の数は約50万人台半ばと高止まりで推移しており、加えて就職氷河期に学校を卒業・退学した無業者の滞留が顕著で、これらの者を含む49歳までの無業者数の推計は約120万人にも達しています。
ご本人の就労を支援することは、本人の自立の可能性を広げるだけでなく、将来困窮状態に陥るリスクを未然に防止し、地域社会の担い手を増やすために重要です。若者を就労につなげるうえでの課題は多岐に渡っており、社会人として必要な基礎的な能力の養成や、就職活動を開始するにあたって必要な基礎知識・ノウハウの付与、第一歩を踏み出すための体験機会の提供などをおこなうことで、課題解決を図っていくことが必要です。

実施内容

就職活動への準備支援

キャリアカウンセリング

キャリアコンサルタント、キャリアコンサルティング技能士、産業領域での経験年数がある公認心理士や発達障害ピアカウンセラー等、複雑化・困難化するサポステ利用者のニーズや課題に対し適切な支援を提供できるカウンセラーを配属し、支援実績を積んできています。就労支援・心理的支援・生活支援など、様々な視点から就労の阻害要因を適切に捉え、利用者それぞれの状態やニーズに対して、キャリア支援上最適な支援計画を練り、職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上につながる個別相談を実施しています。利用者が自身のキャリア上の様々な選択を自己決定できるようアプローチ。自己理解・仕事理解・機会創出・応募準備・面接対策といった実践的支援についても実施しています。

セミナー

自己理解・仕事理解・利用者同士の交流・適性検査等、支援過程の中で、ご本人にとって有益なセミナーを受講いただけます。

企業との選考前後の支援

職場体験

自己理解や仕事理解が進んできた段階で、適性や状況に合わせて仕事を体験することができます。仕事の場の空気を肌で感じたり、実際に作業を体験してみて、自分にできるかどうか確かめる機会として提供しています。

職場体験職種例

事務・製造・清掃・IT・CADなどの分野
その他、ボランティア・職場体験のみ・採用枠ありの職場体験など、様々な連携先があります。

広報・プロモーション

WEB

リーフレット

利用者・企業インタビュー

■グループホーム「ここからさくら苑 南茨木」介護スタッフ 須藤さん
就労体験は安心につながる。大切なのは自分に合うか

■グループホーム「ここからさくら苑 南茨木」館長 中川さん
採用前の就労体験は、より良い関係を築くチャンス。

2022年度 REPORT


就活準備・就活中・実際に働く中など、様々なシーンでサポステ利用者が感じる不安や疑問を解消するセミナーを実施しました。仕事選びに役立つ業界研究や適性検査から、求人票チェック・志望動機・ビジネスマナー・面接をパッケージにしたセミナーまで幅広く実施し、多くの参加者が就活に弾みをつけました。

また自分でできるメンタルケアや、発達凸凹傾向のある働く先輩たちのケースをテーマにした座談会を開催し、不安の中でも参加者が「大丈夫」と感じられるような学びへ繋げることができました。

実施プログラム

身につけたい!自分でできるストレスケア 〜働き続けるために〜

日々積み重なる小さなストレスは、溜めこみすぎると体調不良をひき起こし、時には仕事を続けられなくなる原因にもなり得ます。このセミナーでは「病気になる前の予防・病気回復後の再発防止」として、自分でできるメンタルヘルスのためのセルフケアを、外部講師を招き学びました。

凸凹活かして、働くには ~働いてみて、どう? 教えて、凸凹先輩!~

発達凸凹があっても、自分らしくイキイキ働く。どんな働き方があるのか、先輩たちはどう工夫しているのか?サポステの先輩たちをゲストに招き、座談会を実施しました。これからサポステの利用を検討していく方や現在利用している方も、先輩の体験談を聞くことで、サポステをどの様に利用し「自分自身の凸凹とともに働くイメージ」が掴める機会となりました。

未経験からのIT業界就職セミナー

このセミナーでは、実際に求人上で出てくる業種・職種を並べて、実際のお仕事の中身を学びます。ここ最近広がっているリモートワークやフリーランスを含めた「IT業界での働き方」を整理し、それぞれのメリット・デメリットを考えました。プログラマー・Web・CADのそれぞれの適正を知るための適正チェックをゲーム感覚で行い、また就職前準備や就労後を考えていくことで、IT業界へのイメージが膨らむ時間となりました。

連続セミナー 就職準備4Step  -求人票・志望動機・マナー・面接-

就活の準備をすすめるにあたっての多くの人が不安に感じやすい4つの不安事項をテーマに、一気に解消できるセミナーを開催しました。

成果

■2022年度
新規利用者数: 229名
就職決定者数: 115名
セミナー実施回数:79回
総カウンセリング件数:2060件
受託期間中の総就職決定者数:1,056名(2015年4月1日〜2023年3月31日)

2021年度 REPORT


ハローワークの利用者の中でサポステの利用が有効と考えられる方や、サポステの利用者の中でハローワークの支援段階にある方が、シームレスにそれぞれの支援を適切に受けることができるようハローワーク大阪東と大阪府サポステの間で並行支援体制を構築することができた1年でした。ハローワーク内に就職氷河期支援窓口ができた経緯により、同じターゲット層に向けた共催セミナーを実施したり、毎月の合同ケース会議を実施するなど、互いの強みを生かした支援体制の強化ができたことは、私達にとって大変心強い大きな一歩でした。並行支援体制の構築においてご尽力くださったハローワーク大阪東のご関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

実施内容

ハローワーク大阪東との並行支援体制の構築

ハローワークとサポステのそれぞれの相談員のリファーフロー、個人情報共有に関する同意フローなど、並行支援を実施するにあたって必要となる体制を構築しました。また、毎月1回合同ケース会議を実施し、並行支援中の利用者への支援について議論・検討を重ね、支援が円滑に進むよう連携しています。

他機関と連携した広報セミナー

サポステの存在を知ってもらい、継続支援につなげる目的から、広報力のあるセミナー企画・運営に取り組みました。他機関との共催セミナーを実施することで、他機関の利用者の中でサポステの利用が有効だと考えられる方にサポステの支援を届けたり、より専門的な職業理解の場を提供することができました。

■ハローワーク大阪東・就職氷河期世代支援窓口との共催
「職業適性検査で見る!自分に合ったしごと発見セミナー」

■大阪府職業能力開発協会との共催
「ITマスターから学ぶ!プログラマーとその周辺 –興味がある!を仕事にする–」

成果

■2021年度
新規利用者数: 180名
就職決定者数: 115名
セミナー実施回数:104回
総カウンセリング件数:1876
受託期間中の総就職決定者数:827名(2015年4月1日〜2022年3月31日)

2020年度 REPORT


新型コロナウイルス感染症の影響により施設の閉館が決定するなど、事業推進に困難がある1年でした。初めての事態に混乱と戸惑いを感じたのはスタッフだけでなく利用者も同様で、自粛要請を機に就職活動を中断してしまったり、対面で会えないことで支援を受けることができない状態になる方も多くいらっしゃいました。

地域若者サポートステーションの取り組みは、若者と対面し実施する支援が主となっていますが、今後も予期せぬ社会情勢が続くと予想されること、ITを活用した仕事や就活手法が増えていくことを考慮し、オンライン支援ができるよう環境整備を進めたり、カウンセラーがwebでの支援に慣れ技術を蓄積していくことなどに邁進しました。オンラインでの支援が出来ない方(自宅にオンライン環境がない・取り扱いがわからない等)への支援については検討の必要性が残りました。

実施内容

コロナ禍での支援体制整備

利用者とスタッフの感染リスクを抑えながら支援を提供できるよう、オンライン支援体制を整備しました。オンラインでのキャリアカウンセリング、オンラインセミナーの運用にチャレンジし、年度末にはその運用にスタッフも慣れることができました。

広報手段の検討と実施

大阪府地域若者サポートステーションは、大阪府全域を管轄としていることから、広く府民に取り組みを広報し、支援を受けたいと考える潜在層と繋がっていく必要性があります。まだサポステという事業の存在を知らない潜在層に情報を届ける手段として、地域資源とも繋がり広報していく必要性がありますが、本年度においては潜在層に繋がりやすいと仮定する地域資源を新たに開拓し、広報協力をいただきました。潜在層の日常や生活の中といったリアルな環境にポイントを置きアイデアの光る新たな広報先を開拓していくは大変困難なことではありますが、サポステ事業の認知度を向上させ必要な方に必要な支援を届けるために、今後も継続していくべきことだと考えています。さらに、潜在層がサポステの存在を知るための施策と、知ってから実際にサポステにコンタクトを取るための施策を別物と考え、後者についても企画を実施しました。潜在層が安心を感じ、サポステにコンタクトしようと思える状態をつくることも、大切な広報手段だと考えます。

府内330箇所の普通公衆浴場(銭湯)での広報ツール設置

府サポステwebサイトのユーザーの多くが「サポステ」というキーワードで検索流入しています。現状、「サポステという事業名称をどこかで目にしたり聞いたりした」というユーザー行動があることを前提としている状態にあります。本年度は、「サポステ事業の存在をまた知らない方に届ける」ことを目的に、潜在層の生活圏内にある社会資源にアプローチする計画を立てました。

JR西日本SC開発株式会社様が運営する大阪駅直結型ファッションビル「ルクア大阪」のコンテンツ「妄想ショップ」にて実施した「銭湯案内所」。その取り組みでつながった大阪府公衆浴場業生活衛生同業組合の皆様にご協力・連携いただき、大阪府全域の組合加入浴場330箇所に府サポステのチラシの掲示・設置をお願いすることができました。

利用前からスタッフに触れ合う仕組みづくり

サポステを初めて利用する若者にとって、実際に問い合わせるということが大きなハードルになるケースは多くあります。どんなスタッフが出てくるかわからない・これまでの自分を否定されるのではないか・また失敗するのではないか…そんな不安や恐怖を若者が抱いていることを前提として、「説明会」という形式でスタッフのことを見てもらう機会をつくりました。コロナの影響もあり、形式は「オンライン参加」「顔だししなくてもいい」「質問や個別に話を聞きたい方は、説明会終了後に別途時間を設けることができる」としました。なお、本年度実施した説明会は、どんな状態の若者でもふさわしい支援窓口に繋げられるよう、弊法人の取り組み全体についての説明も合わせて行っています。

説明会の進行については、場づくりやファシリテーションの力に富んだスタッフが担当し、サポステが安心しながら就活を進められる場所であること・前向きで親しみやすいかつ親身な伴走型支援を象徴するスタッフの人間性を感じ取ることができる内容となりました。説明会終了後にサポステの利用を希望するかどうかの意思確認を行い、利用条件に当てはまる方の支援スタートにつなげました。

外部講師と連携した広報セミナー

サポステの存在を知ってもらい、継続支援につなげる目的から、広報力のあるセミナー企画・運営に取り組みました。外部講師を招き、サポステの利用者層の関心が高かったり、雇用のチャンスが広がっている職種について学べる機会と情報提供を行いました。

①入社か?フリーランスか?WEB制作やデザインを仕事にしたいあなたへ
講師:近藤由美子(サンタネットワーク)

②3DCADで広がるCADのお仕事〜大きく変化するIT専門職の働き方〜
講師:三辻茂樹(株式会社コステック)

③ネットビジネスやWEBの仕事のリアル
講師:原口幸ニ(株式会社読売情報開発大阪)

成果

■2020年度
新規利用者数: 177名
就職決定者数: 111名
セミナー実施回数:54回
総カウンセリング件数:1988
受託期間中の総就職決定者数: 712名(2015年4月1日〜2021年3月31日)

2017〜2019年度 REPORTについてはこちら(PDF)