就業システム・組織戦略開発サービス
期間:2016. 4. 1 〜 2017. 3. 31
テーマ:ものづくり魅力発信、キャリア教育
クライアント:大阪府(商工労働部雇用推進室人材育成課)
電子工作、家具づくり、彫金、建築、プログラミング。身の回りにあるすべてのものは人の手による「ものづくり」から生まれ、それらはわたしたちが学校の理科や数学で学んださまざまな内容が基盤となっています。
「エジソンの学校」は、大阪府内の普通科高校に通う高校生を対象に、府立高等職業技術専門校やポリテクセンター関西、ものづくり業界の経営者や技術者、クリエイターたちとともに、「制御」「建築・設備」「金属加工」など、さまざまなものづくりを体験するワークショップを全20コース構築。内12コースを府内高校でモデル実施しました。
ワークショップでは、電子工作の力で消すたびに音がなる黒板消しを発明したり、10分の1サイズで精巧な家具をつくったり、今話題のVRで北海道に修学旅行をしてみたり、生徒全員で発電して教室をディスコ空間に変身させたり。ときにはハチャメチャな展開も楽しみながら、ものづくりの世界で活躍する大人たちのカッコいい背中とふれあいました。
また、構築したワークショップ内容、手法、実施レポート、効果測定・検証結果、材料一覧など、本プロジェクトの全貌を冊子に取りまとめました。冊子は、大阪府内の高等学校全250校に配布し、生徒の進路選択における視野拡大や職業観醸成につなげるツールとしてご活用いただきました。
大阪府の製造業は、府外需要を獲得する最大の産業であり、今後の大阪経済の成長のためにはその競争力の維持・強化が不可欠です。一方、ものづくり業界への進路選択をする若者は減少傾向にあり、技術者の高齢化が進む中で、ものづくり企業側からも若者層へものづくりに対する教育を求める声が多く挙がっています。
学校の授業で学ぶ数学・化学・物理などの中には、ものづくり業界で働く際に役立つ要素が多く存在し、社会のあらゆる場面で活用されています。しかし現在では、普通科高校の教育課程において、それらとの連動性を体験する機会やものづくり業界で働く大人たちとコミュニケーションを取る機会が減り、「ものづくり」が社会をつくる大きな要素として認知されにくくなっています。
各分野のプロフェッショナルとパートナーとなりプログラムを開発し、出前講座としてモデル実施しました。本プロジェクトにご協力いただいたすべての技術者・クリエイターに共通していたのが、ものづくりを「目的」ではなく「手段」として捉え、取り組む姿勢。ワークショップではものづくりの魅力発信を通して、仕事を通してどのように人をしあわせにできるか、どのような社会・世界をつくることができるかという視点にもフォーカスを当てました。
大阪府教育センター附属高等学校/高校2年生(102人)
大阪府立久米田高等学校/高校2年生(1人)
大阪府立西成高等学校/高校1年生(57人)
大阪府教育センター附属高等学校/高校2年生(173人)
大阪府教育センター附属高等学校/高校2年生(2人)
大阪府立久米田高等学校/高校2年生(3人)
大阪府立和泉総合高等学校/高校3年生(153人)
大阪府立布施北高等学校/高校3年生(21人)
大阪府立泉尾高等学校/高校1年生(15人)
大阪府立美原高等学校/高校1年生(23人)
大阪府立西成高等学校/高校1年生(124人)
大阪府立大手前高等学校/高校1、2年生(25人)
学外イベント/高校1〜3年生(12人)
児美川考一郎先生(教育学研究者・法政大学キャリアデザイン学部教授)にご協力いただき、オリジナルの効果測定シートを作成。モデル実施をおこなった13校の生徒を対象に検証を実施しました。各プログラム実施後、生徒に対して行った効果測定の結果、ものづくりのイメージがよくなった生徒は82.4%、ものづくりに対して興味がある生徒は76.3%に。結果を踏まえ、今後の継続的な取り組みにつなげるヒントを探りました。
調査対象 各出前講座プログラムを受講した生徒
回収数 574人
配布 各出前講座プログラム終了後に配布、その場で記入
回収 記入後にスタッフまたは教員が回収
標本 全数調査
回収率 80.7%
構築したワークショップ内容、手法、実施レポート、効果測定・検証結果、材料一覧など、本プロジェクトの全貌を冊子に取りまとめました。冊子は、大阪府内の高等学校全250校に配布し、生徒の進路選択における視野拡大や職業観醸成につなげるツールとしてご活用いただきました。